海外ニュースで知る世界の流れ

興味のある英文記事を日本語で要約し、「柴田優呼@アカデミックジャーナリズム」でツイート。そのツイートの再録ブログです。英語のニュースを知り、世界の流れをつかむご参考にしていただければ。

カルチャー、教育、観光

作家は執筆中、どんな読書をするのか

作家は執筆中、どんな読書をするのか。 米国人のベストセラー作家、ダイアナ・ガバルドンの場合。 元々書き終えるまで時間がかかるタイプ。 だから書き始めの頃や真ん中辺りまでは、何でも大量に読む。 ただ最後の数か月は、あまりとりこにならない本や、と…

ジョージア・オキーフ展が初めてパリで開催

ジョージア・オキーフ。 かつて米国で最も有名な女性5人の1人に数えられた前衛画家。 20世紀前半に多くの代表作を生み出した。 だが欧州では著名度が低く、米国モダニズムは戦後、ジャクソン・ポラックから始まったと思われてきた。 女性のアート作品の軽視…

文法ミスを減点しないので、英国の大学生の書く力が低下?

英国の大学生の書く力が衰えているのは、採点基準に文法やつづりのミスを含めず、内容の評価だけしているからだ、と英国政府機関。 平等法の拡大解釈の結果で、成績の水増しが起きており、今後は罰則も検討する、という。 大学側は、調査対象は400校のうちわ…

コロナ下で生まれた詩が語る、米国の人種主義と哀しみ

ピュリツァー賞受賞の詩人で黒人女性のトレーシー・スミスは、世の中への問いかけを、詩の形で表現して来た。 個人的な問題には政治的な問題が含まれ、物語の中では人種主義、権力、正義が絡み合う。 構造的な不平等を黙考するに至ったコロナ下での経験が、1…

『ロード・オブ・ザ・リング』は、出版時絶賛されたわけではなかった

トールキンが三部作『ロード・オブ・ザ・リング』を発表したのは1950年代半ば。 賛否相半ばだった。 これだけ詳細な想像世界を築いた作品はない、とされる一方で、退屈で文章もひどいという評も。 前例がないタイプの小説で、読者は面食らった。 1961年のノ…

コロナ後、メトロポリタンオペラの上演第一号は、初の黒人作曲家の作品

コロナでライブ公演を中止していたメトロポリタンオペラが27日再開。 記念すべき初演演目の作曲家は黒人男性のテレンス・ブランチャード。 MET138年の歴史で、黒人作曲家の作品上演は初めて。 「確かに自分は初の黒人だが、ここで上演資格がある黒人作曲家と…

米国の独立系インディーズ出版社の挑戦

発売2週間で2百万部を売り上げたミシェル・オバマの自伝。 同書を手掛けた名物編集者が独立し、新しい才能を見出すため出版社Zandoを立ち上げ、来春3冊を発行予定。 著名人で、ツイッターやインスタのフォロアーが多数いることが、本の出版にも期待される時…

人造シーフードがネタの寿司が登場

一見トロ。でも実際のネタはトマト、という寿司が登場。 オリーブオイルや香辛料、醤油による味付けで、トロにひけをとらぬ美味。 その名も tunato。 フード・イノベーションにより作られた人造シーフードで、本物に比べ安価。 人造肉がブームとなる中、Z世…

コロナ下の米国で、紙の本を読む人が急増

コロナ下の米国で紙の本を読む人が急増。 大手ブックチェーン書店の Barnes & Noble の売上は今年、コロナ前の2019年と比べ、2ケタ成長。 驚くべきは10代の購入者増。 金曜や土曜の夜、漫画を買いに来る若い読者で混雑、売上500%増を上げる店も。 衰退基調だ…

中国がハリウッドをコントロールする時代

『ノマドランド』でオスカーを受賞した北京出身のクロエ・ジャオ監督。 彼女の活躍は「中国の誇り」と共産党系新聞は賞賛していた。 だが「中国は嘘だらけの所」という8年前の発言が、中国のネットで話題に。 するとオスカー受賞のニュースは削除、『ノマド…

仕事で集中するには、バロック音楽を聴くのがいい?

ソプラノ歌手兼心理学者が語る音楽と感情との関係。 仕事で集中するには、1分50-80拍で歌詞のない音楽が向いている。 バッハやヘンデル等、バロック音楽がいい例。 新しい曲より、数回聴いて慣れている曲の方が、脳波が反応しやすい。 また若い時によく聴い…

アジア系女性が主役の、米大学ドラマ「チェア」

米国で話題のドラマ「チェア」。 大学を舞台に「オフィス」等に続く中間管理職の悲哀を描く。 目を引くのは、主役の英文学部長が、アジア系女性であること。 これまで脇役しかあてがわれて来なかったアジア系女性が魅せる。 外部の人にはあまり共感されて来…

ミレニアル感覚の新ファッションとは

Lisa Says Gah (リサはひゃーと言う / LSG)というブランドがミレニアムの女性に人気。 サンフランシスコに住むリサ・ビューラーが2015年、28歳で始めた。 女性起業家によるサステナブルなスモール・ビジネスのつもりだったが、コロナ下で急成長。 前衛的ベー…

コロナで変わる海外のビジネススクール

2021年7月4日 コロナで海外のビジネススクールに大きな変化。 オックスフォード大学では、1クラス80人から40人に削減。 ソーシャル・ディスタンスのためだったが、クラスの議論が活発化するなど効用が大。 学生が話しやすいから、とオンライン授業も継続。 M…

K-popアクティビズムが支える、バンコクのトゥクトゥク

2021年6月28日 コロナ禍で過去1年、売上が激減したバンコク名物、三輪タクシーことトゥクトゥク。 その救世主になったのがK-popファン。 車体にK-popスターの広告掲載をするようプッシュ。 乗車し写真撮影、チップまで払うことも。 この恩恵を受けたドライバ…

米女優シャロン・ストーンが回顧録出版

2021年6月23日 映画『氷の微笑』で一世を風靡した米女優シャロン・ストーンの回顧録。 当時の撮影秘話、me too以前のハリウッド業界、2001年に脳卒中で死にかけた話、少女時代に目撃した家族内の性的虐待など生々しい話が出て来る。 63歳になった彼女が、一…

コロナ禍を経て、アパレルに起きた変化とは

2021年6月19日 アパレルの世界は予測に基づく。6月に何が店頭に並ぶかは、前年の11月に決まる。 参照されるのは、インスタやTikTokの投稿、結婚式やレストラン、ホテルの予約。 だがコロナを経て日常が回復する中、ネットでの状況がより大きな決め手に。 ト…

83歳になったアンソニー・ホプキンスが語る人生

2021年6月2日 83歳になった俳優のアンソニー・ホプキンス。 コロナ禍の1年は自宅で隔離生活。 絵を描いたり、読書したり、猫と遊んだりして過ごした。 描いた絵は販売もされている。 Zoomで映画にも出演、「タイムマシンに乗ったような体験だった」。 自宅に…

デジタル資産NFTが変えるデジタルアート市場

2021年4月24日 米音楽界の起業家でDJ界のスーパースター、スティーブ・アオキによると、デジタル資産NFTの未来は明るい。 やがて誰もがデジタル・ウォレット (財布)を持ち、自分が貴重だと思うものをそこに保管、人に見せるようになる、と予測する。 デジタ…

コロナ禍の新生活を経て、ハワイ住民は観光客にうんざり

2021年4月18日 ハワイは昨年10月から観光客の受け入れを再開。 今年3月までの国内観光客は、昨年の4倍を記録した。 観光客激減で打撃を受けた観光業にとっては願ったりかなったり。 だが、コロナ禍のニューノーマルに慣れた地元住民の半数は今や、観光客にう…

子供のメンタルを強くするため、親がすべきこと

2021年4月3日 子供のメンタルを強くするため、親は何をすべきか。 心理療法士の分析。 正直、大人にも通じる話。 1、誰かが成功しているからと言って落ち込まないようにする。 つまり他人に依存して自己肯定・自己否定をしない。 方法: 「今日私はハッピーで…

数学でも、書く学習が重要に

2021年4月1日 米国では、歴史や英語の授業だけでなく、数学や科学などの全教科で「書いて説明する」ことが、重要な学習方法となりつつある。 学習内容の理解度を測るだけでなく、異なる概念を関連づける能力を高めるのに役立つ。 つまり習熟度を測るというよ…

永遠に自己を改良し続ける、インスタグラムのユーザー

2021年3月8日 2010年の登場以来、インスタグラムは独自の美的言語を発展させてきた。 ひと昔前、結婚式の写真でみられたイメージ。 つまり、どれを見ても同じ。 単調で見分けがつかない。 人の身体はインスタグラムに適合させられるようになった。 以前は雑…

イシグロの最新作は『わたしを離さないで』の姉妹編

2021年3月4日 ノーベル文学賞受賞後の最新作『クララとお日さま』を世界同時出版したカズオ・イシグロ。 物語の語り手は、人間の子供に似た見かけのAIロボット、クララ。 寂しい子供を慰めるのが役目で、近未来の米国のどこかが舞台。 店頭に並び、「養父母…

米国ビート世代の庇護者が、101歳で死去

2021年3月1日 ビート世代の庇護者で、 サンフランシスコに出版社を創設、 戦後アメリカのカルチャーシーンを先導した ローレンス・ファーリングヘッティが101歳で逝去。 1950年代、自社出版物を猥褻だみなした当局と争った。 彼の抵抗がなければ、 サンフラ…

また旅行できるなら、米国人が犠牲にするもの

2021年2月27日 ロックダウンで約1年、自宅を離れられなかった米国人の、今の心境。 近いうちに旅行ができるなら、仕事をやめてもいい人が48%、 1年間セックスしなくてもいい人が38%、 貯金を全額はたいてもいい人が25%、 パートナーと別れてもいい人が20%。 …

秋学期の対面授業で、対応分かれる米大学

2020年5月15日 米国の大学の多くが、秋学期に対面授業を行うかどうか思案中。 カリフォルニアでは、臨床訓練の必要な看護科の学生や、ラボでの実験が必要な学生を除き、遠隔授業を続ける所も。 オープンしても、教室内の学生数を5人までにしたり、登校日を週…

コロナ危機でカリフォルニア大学が2024年まで、ACTとSATを除外

2020年5月12日 コロナ危機の影響を受け、UCLA等カリフォルニアのUCシステムの大学10校が2024年まで、ACTとSATの成績を入学の合否判定から除外する方針。 既に今年は除外すると表明していた。 代替となる独自の入学試験を今後作成予定。 ACTとSATは学生の能力…

スペイン風邪が、第一次大戦ほど記憶されていない理由

2020年5月5日 1918年のスペイン風邪で、5千万人から1億人が死亡した。 だが不思議に、文化や政策や、公的な記憶に大きな影響を残していない。 第一次大戦にかき消された、とも言われる。 確かに戦争と違い、感染症は個人の体の内部で戦われる。 それにウイル…

ポストコロナで、新しい文学は生まれるか

2020年5月3日 コロナで英国の出版業界も大打撃。 それでも読書ファンは、ロックダウン中に読みたいお気に入りの本のリストを交換。 新たな販促にいそしむ出版業者も。 必ずしも新規の試みではないが、Zoomで人気著者の催しを開催、サブスクの会員を募集、ポ…