21日投票のチリ大統領選。
左派の有力候補ガブリエル・ボリッチ氏はミレニアル世代の35歳。
10年前の2011年はチリ大学で法律を学ぶ学生。
学生組合の代表となりデモ隊を組織、街に繰り出した。
公的援助の増加と不平等な教育体制の是正を訴え、教育改革を引き起こす原動力に。
その後7年、国会議員を務めてきた。
だが世論調査では、ブルジルのボルソナロ大統領とも比較される極右のホセ・カスト候補が小差でリード。
チリは80年代、ピノチェト軍事政権が規制緩和や公共サービスの民営化を実施。
外資の投資を誘い、南米で最も豊かな国の1つに。
一方で経済格差はOECD諸国で随一で、国民の6割が生活の困難に直面。
ボリッチ候補はそうした政治の転換を主張。
富裕層への新課税や最低賃金増額、公的年金の導入を唱える。
だがコロナ下で既に政府の財政支出は増大。
経済界や外資の間で懸念が広がる。
一方カスト候補は当選したら、2019年の抗議運動に伴い、現在進行中の改憲の動きを止めると発言、混乱が予想される。
ボリッチ候補は強迫性障害で治療を受けたことを語るなど、チリ国内でのメンタルヘルスについてのタブーを破る率直な物言いが、若者から好感を得ている。
今の時代に合った政治家、との見方も。
当選すればチリ政治の転換点になる。
両者の対決は、12月後半の決選投票に持ち込まれるとの見通しが強い。
(柴田優呼@アカデミック・ジャーナリズムがツイート)
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