以下記事の要約。
発端は、LAの出入国管理税関局のメモ。
8月の日付だが、話題になり出したのは最近。
価格と便宜性で北米市場の3分の2を占めるドローンメーカー、
中国の先端技術の「顔」とも言えるD.J.I.の製品が、
アメリカの主要インフラや軍警察機関のデータを
中国政府に送信していると指摘するもの。
例えば、アメリカ国家安全保障省が、
農業や公衆衛生に害を与える恐れがある病気の研究施設を作る時、
その配置や警備を建設するのにD.J.I.のドローンを使った。
また貯水池、発電所、主要駅などの基幹インフラが、
同社のドローンによりモニターされている。
そのデータは仔細にわたる。
発電所のコントロールパネルの映像から、橋の建設資材まで。
だが D. J. I. は、このメモの内容を全面的に否定。
そもそも、ドローンの飛行計画やビデオなどのデータを、
同社のサーバーにアップロードするかどうかは、ユーザー次第。
さらに、スノーデンの暴露に見られるように、
民間企業の政府のスパイ活動への協力は、
当のアメリカで行われてきたではないか、というわけだ。
だから中国はマイクロソフトやアップルに、
国内のデータを国外に出さないよう要求。
アップルはそのため、中国に新しいデータ・センターを作ると
今年発表した。
一方D.J.I.は昨年、中国政府の求めに応じて、
中国と香港で入手したデータを政府に提出したという。
政府と緊密な関係を維持しないと
成り立たないのが中国の大企業であり、
そこに懸念がある。
さらに、D.J.I.のデータは外からアクセス可能と
専門家が指摘、
セキュリティに対する不安も持ち上がっている。
この騒動は、国家安全保障にかかわるものだけではない。
今やデータは、金や石油と同様、
ビジネスに直結する大事な資源。
それにより、ターゲット広告の設定や、市場のトレンド分析が可能になる。
その一方で、ユーザーの多くは十分な知識がなく、
自分のデータが、最終的にどこに行き着くのか知らない。
(柴田優呼@アカデミック・ジャーナリズムが投稿)
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