米韓軍事演習の中止、
北朝鮮の政権認知と
その安全保証確約と、
大きな譲歩をしたトランプ。
その上で、北朝鮮と
特別な関係を築いたと語ったが、
北朝鮮は国内で、
真逆の見方を披露している。
核ミサイル実験を通じ、
米国に対等の
核保有国だと認めさせ、
上記の事柄を実現したと宣伝した。
実際、今回北朝鮮は、
92年時点での非核化の合意内容を
再確認しただけにとどまった。
今回の共同声明には、何もない。
プルトニウムとウラン凍結も、
ICBM破壊も、
核施設査察も、
北朝鮮の核開発の内容申告も、
非核化の行程とその検証も、
核ミサイル実験の
完全停止宣言すらない。
金正恩の完全勝利。
恐いのは、
トランプはそれに
気づいてもいないことだ。
米兵の遺骨も1989年以後、
北朝鮮は既に返還済で、
一部残っているかもしれないが、
真新しい話でもない。
トランプ自身が破棄した
イランとの核合意内容より、
著しく劣る内容となっている。
合意の結果、イランは
濃縮ウランの98%を廃棄している。
要は、自分の舌戦で始めた緊張を、
トップ会談で緩和しただけ。
またカナダのトルドー首相を
罵倒する一方で、
世界最悪の全体主義国の
指導者を礼賛した。
北朝鮮の立場を代弁し、
米軍演習は、北朝鮮に挑発的だと言明。
国連が他に例を見ないとした
北朝鮮の人権侵害は、
他の国でもあることだ、
と相対化した。
北朝鮮国民宛に、
あなた達の指導者は
国民のことを考えている人だ、
とのメッセージまで口にした。
米大統領が
北朝鮮のスポークスマンになるとは、
驚き。
もちろん一番
避けるべきは戦争だ。
だが軍事演習中止は、
日本など同盟国の疑念を生む。
第一ラウンドは、
トランプ操作にたけた
韓国の文在虎から助言された
金正恩に、
トランプが
手玉に取られて終わった。