2020年5月11日
なぜ米国にはワクチンや薬がないのか。
なぜマスクや人工呼吸器がないのか。
それは、そうした製造・供給システムを構築しない選択をしたから。
コロナは米国の政治や社会の壊れている面を浮き彫りにした。
世界で最も裕福なテック企業や、最も技術革新の進んだシリコンバレーも公衆衛生の危機に無力。
ネットフリックスやアマゾンは、隔離で孤立した人々の助けになっているが、米国では今やガーゼの生産すらできない。
シリコンバレーが高い製造能力を誇ったのは、遠い昔。
その結果、製品を大量生産できる大工場や、大量の雇用を喪失。
問題は、それがイノベイティブな能力の衰退をも導いていることだ。
米国はもはや、最も基本的なニーズを満たすために必要な技術を向上させる力を失っている。
米国が秀でているのは、生活をより便利にするためのソフトウエアの開発。
だがヘルスケアや教育を再構築し、食料の生産と流通を効率化するという、より大きな経済セクターで、この能力は役に立っていない。
イノベーションがどれだけ進んでいるかは生産性で測られる。
だが、テック企業が隆盛を極めても、実は米国の生産性の伸びは鈍ったままだった。
コロナは米国人の目をさました。
今後、経済回復を図る中で、コロナで生まれたこうした自覚を、ヘルスケアや気候変動など本当に重要な分野で生かすべきだ。
(柴田優呼@アカデミック・ジャーナリズムがツイート)
MIT Technology Review@techreview
The coronavirus pandemic has made clear a festering problem: the US and its dominant tech industry are no longer very good at coming up with new ideas and technologies relevant to our most basic needs.
bit.ly/2yGQc9r