SNSが力をふるうようになるまで、
人々には自由があった。
状況によって
違う顔を見せる自由が。
職場ではこう、
家庭ではこう、
友達といる時はこう、
といった具合に。
だが今はフェイスブックが
「知り合いかも」と勝手に推測。
それで、
匿名で妊活中のカップルに
精子を提供した男性は、
生まれた子の顔を知ることに。
連絡先すら教えていないのに、
二度目に会った時
ニックネームで呼ばれる。
16歳の時父親が蒸発、
40年後になって、
その時の父親の浮気相手の
顔を教えられる。
フェイスブックと関係ない
メールアドレスを使ったのに、
メールを出した相手が
友達に推薦される。
知らない間に
全てのメールを読んでいたのだ。