イギリス統治下の香港はかつて、
中華世界の「自由の砦」として
反体制派を引き付けた。
だが現在、台湾にその地位は移行。
昨年香港であった人権映画祭は
今年、台湾で開催。
2年前中国に身柄を拘束された香港の出版社は
台湾で開店予定。
国境なき記者団は昨年、
アジア初の事務所の台湾開設を発表。
第一候補は香港だったが、
中国政府は今国内だけでなく香港も抑圧、と
だが台湾でも昨年、中国の市民運動家の
政治亡命が拒否され、
ここ2年市民団体や大学の招きで訪台する
中国の市民活動家のビザ取得が困難に。
一方で昨年、台湾の運動家に
冷や水を浴びせる事態が。
訪中した台湾の運動家が
逮捕され有罪を宣告、
その証拠として台湾でのSNSが使用されたのだ。
このため、香港の大学生が3月、
台湾のケビン・リー映画監督に
自己検閲についての作品を上映したいと連絡した時、
暗号化で内容開示が不可能な
WhatsAppを使用。
それに先立つ昨年11月、
監督の香港ビザは却下。
おそらく香港か中国当局が、
香港で一部撮影した予告編を含む
映画のクラウドファンディングのページを
見たのではないかとリー監督。
香港の学生たちはずっと映画上映を秘密にし、
ごく直前になって皆に連絡。
「かつての戒厳令下の台湾を思い出させる。
どうして香港はこうなってしまったのか」と監督。