中国の全人代は日曜、
国家主席の任期制を廃止。
中国だけでなく
西洋にとっても一つの時代の終焉。
冷戦終了以後、
中国は本格的に市場経済に参入。
中国が「古くからの敵」から
「勃興する市場」に変容した時代で、
西側企業は中国に殺到。
冷戦の勝利に基づき、
資本主義は民主主義を導くと信じていた。
だがロシアや東欧の例を見ても、
冷戦後、力を増したのは資本主義。
必ずしも民主主義ではない。
その最たる例が中国。
自由貿易体制は改革を伴うというが、
現実にはより独裁に近づいた。
人々は貧困から解放される代わりに、
サイバー全体主義の下に。
世界の前途は不明だが、
地政学的な新時代が到来。
問題は、西側が経済的利益を犠牲にして
公共的価値に重きを置くか、
ロシアや中国が、独自の価値を輸出するかだ。
分水嶺の一つは、
中国の一帯一路構想を、
穏健な経済計画と見るか、
地政学的脅威と見るか。
ともあれ、勃興する市場を
非政治的なものとみなしていた、
冷戦後のグローバル化の時代は終了。