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英文メディア記事を要約する「柴田優呼@アカデミックジャーナリズム」のツイートを、本人が再録しています。英語のニュースを知り、世界の動きをつかむご参考にしていただければ。

「利子生活者資本主義」の罪

2019年9月18日
企業は自らの目的に邁進し、
株主に奉仕する。
 
過去40年、金科玉条のごとく
唱えられて来たスローガン。
 
この何がいけないのか。
 
なぜ生産性の低下、
格差拡大、金融危機の
 
三重苦に
苦しみ続けるのか。
 
米国では
1948年から73年の間、
 
平均的な世帯収入は
年3%上昇。
 
子世代の96%が
親より高い収入を見込めた。
 
だが1974年以降、
平均的な世帯収入の上昇率は
わずか年0.4%。
 
子世代の28%が
親世代より低い収入に甘んじる。
 
これは「利子生活者の資本主義」
に起因する。
 
マーケットと政治の庇護の下、
特権的な個人と企業が
 
持たざる者から
利潤を収奪する。
 
20世紀半ば以降、
根源的な技術革新が
途絶えていることも関係する。
 
だが、不平等の拡大と
生産性の低下を、
 
中国からの輸入増や
移民の低賃金労働のせいにするのは
誤っている。
 
グローバル化は
不平等拡大の原因ではない、
多くの研究者が指摘している。
 
グローバルな分業は
むしろ、先進国に
 
高いスキルのセクターに
集中する機会を与え、
 
生産性向上に
寄与したはずだった。
 
トランプは貿易不均衡を
二国間交渉で
解決しようとしてているが、
 
貿易の全体像は
二国間では把握不能。
 
生産性低下の元凶は
金融にある。
 
金融が伸びると
優秀な人々が雇用されるが、
 
資産の担保が
生産されるだけで、
 
彼らの生産性は向上せず
能力の無駄使い。
 
そして上澄みだけが
勝者になり、
残りは敗者に。
 
企業間の競争が弱まったのも、
生産性低下の理由の一つ。
 
GAFAのような
トップ企業の寡占で、
 
競争力があるのは
トップだけに。
 
その一方で、
企業全般の
課税逃れが進行するも、
 
税制改革は
行われない。
 
先進国は今や、
経済と政策の両面で
中南米型になった。
 
それはリベラル民主主義の
終焉をも意味している。
(柴田優呼@アカデミック・ジャーナリズムが投稿)
Financial Times@FT
Martin Wolf: why rentier capitalism is damaging liberal democracy
on.ft.com/30qDVxJ

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Financial Times